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Tropical Kumiko が眩しいね♪

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■キラキラ星あげる / 大場久美子 (東芝)

昨日、所要で訪れた某総合施設で、ラッキーな事にバトン&チアガールの練習風景に遭遇しました。

いゃ〜、やっぱり躍動する若い女性の肢体にはグッと惹きつけられますねぇ〜〜♪

もちろん、その場では何気ないフリを装いつつ、凝視するところはしっかりと眼力&心眼を働かせたのがサイケおやじの偽りの無い姿勢であり、ついでに思い出したのが本日掲載のシングル盤A面曲「キラキラ星あげる」でした。

だって、これを歌っていた大場久美子はテレビでも、おそらくはライブステージの場でも、バトンを操っていたんですからねぇ〜〜〜〜。

それが稚拙なボーカルの力量を良い方向へと導いていた現実は、リアルタイムを知る皆様には説明不要、なかなか忘れられるものではないと推察する次第です。

ちなみに「キラキラ星あげる」は彼女の人気を決定的にした昭和53(1978)年放送のテレビドラマ「コメットさん(TBS)」の主題歌として作詞:伊藤アキラ&作曲:平尾昌晃が書いた、なんとなくクラシック曲をアダプテーションした感じの童謡系アイドルソングなんですが、ご存知のとおりの歌唱力だった大場久美子が健気に演じている姿勢は好感が持てるんじゃ〜ないでしょうか。

そして当然ながら、そこに素直に可愛い彼女のルックスがあればこそ!

逆に言えば、そういう恵まれた資質を臆することなく活かしていた大場久美子は、かわいこちゃんアイドル最良のお手本かもしれません。

正直、ロリ趣味の無いサイケおやじにしても、彼女は憎めない存在なんですよ♪♪〜♪

ということで、これまた説明不要かとは思いますが、サイケおやじと同世代の皆様にとっての「コメットさん」は九重佑三子に決まっているわけですが、大場久美子のイメージが勇優先されるのも一概に否定は出来ないわけで、だからこそ懐メロ番組で新旧コメットさんの夢の競演を見たいですねぇ〜〜♪

もしかしたら既に実現しているのかもしれませんが、であれば、ネットに動画がアップされる事を欲しているわけでして、そんな願いをコメットさんに、ねっ!


ゴールドトップでジャケ買いしたよ〜ん♪

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■Les Dudek (Columbia)

 A-1 City magic
 A-2 Sad Clown
 A-3 Don’t Stop Now
 A-4 Each Morning
 B-1 It Can Do
 B-2 Take the Time
 B-3 Cruisin’ Groove
 B-4 What a Sacrifice

ジャケ買い衝動は決して美女&エロスばかりを対象にしているわけではなく、そこに自分の興味を惹かれるというか、思わず、オォォ〜ッと瞠目されられれば、所期の目的は達成されているわけで、例えば本日ご紹介のLPはサイケおやじにとっての、まさにそうした1枚でありました。

どうです、黒いマント系衣装に身を包んだ、ちょっぴりキモい感じの白人男が抱えているギターはレスポールのゴールドトップ、それもおそらくはシングルコイルのピックアップを用いた「P-90」という、まさにレスポール愛好者には憧れの情景で制作されたジャケットを見れば、速攻で手に取り、レジへの直行は宿業というものでしょうか。

よぉ〜しっ、ゴールドトップの音にシビレさせてもらうぜっ!

もちろん主役のレス・デューデックについては、このレコードが世に出た1976年当時から現在に至るも、絶対的な知名度は無いのが現実なんですが、少なくもサイケおやじを含むリアルタイムのサザンロックファンにとっては、オールマンズのメガヒットアルバム「ブラザーズ&シスターズ」の録音セッションに参加し、ディッキー・ベッツの相方ギタリストして「Ramblin’ Man」と「Jessica」で素晴らしいサポートを演じていた好印象は、忘れられるはずもありませんよねぇ〜♪

なぁ〜んていうのも、皆様にとっては何時ものとおりのサイケおやじの大袈裟な独断と偏見かと思われるかもしれませんが、しかし驚くなかれっ!

当時の洋楽雑誌では、故・デュアン・オールマンの再来とまで大プッシュされていたんですから、今となっては、現世は夢……。

結論から言うと、このLPはレス・デューデックのソロデビュー盤であり、プロデュースをボズ・スキャッグスが担当した事からも、中身は当時流行のAOR系都会派ロックに仕上がっていたんですから、オールマンズ風味のサザンロックを期待すれば肩すかしは必至です。

しかし全篇、スマートな歌心溢れる流麗なギターワークと幾分細い感じながらも、そのクセのある声質と節回しが強い印象を残すボーカルは、如何にも当時の流行を意識している以上の存在感があるように思います。

そしてバックを務めているのがジェフ・ポカーロ(ds)、デヴィッド・ハンゲイト(b)、デヴィッド・ペイチ(key) という所謂ToTo組に加えて、チャック・レイニー(b)、ジェラルド・ジョンソン(b)、トム・スコット(reeds) 等々、言わずもがなの有名セッションプレイヤーが名前を連ねているのですから、ほとんどがレス・デューデック自作の収録演目がソツ無く仕上がるのは必然とはいえ、やはり彼等の演奏にも耳を奪われてしまうのは、これまたリアルタイムの洋楽の流行的聴き方だったんですよ。

特にジェフ・ポカーロのドラミングは最高級で、それはA面ド頭の「City magic」から全開!

だからこそ、と言っては失礼とは思いますが、そこに乗っかったレス・デューデックのギターも痛快ですし、極言すればアカ抜けたサザンロックが、ここに楽しめるんですねぇ〜〜♪

それをあえてオールマンズ風味と自分に言い聞かせる事も可能かもしれません。

ただし、レス・デューデックがここでやりかたったのは、B面に顕著な白人R&Bかもしれず、例えばオーラスの「What a Sacrifice」は良い感じ♪♪〜♪

そのあたりは、やっぱりボズ・スキャッグスのプロデュースが効いている証左と思いますが、実は後に某ギター専門誌で知り得た情報によれば、レス・デューデックは前述したオールマンズとのレコーディングセッションを経て、ボズ・スキャッグスの巡業用バンドに加入して以降、このアルバム制作直前まで在籍しており、そういえば当時本格的にブレイクしたボズ・スキャッグスのステージ写真を確認すると、そのバックには、あまり似合わない白いスーツ姿のレス・デューデックがっ!?

また、そこまでの経緯には前述したオールマンズとの良い仕事から、本来は同バンドに加入しても許される周囲の状況も、実際はディッキー・ベッツとレス・デューデックはソリが合わなかったとか!?

そして結果的にボズ・スキャッグスのバンドを選んだ仕打ちとは思いたくありませんが、件の「Jessica」の楽曲クレジットからレス・デューデックの名義が外されるという真相は、まあ、本人だけが語っている話なので、本当のところは分かりません。

しかしサイケおやじは1990年代中頃、アメリカ西海岸でレス・デューデックのライブに接した時、そんな恨み節を語った後に演奏した「Jessica」では、Aメロをキーボードに演じさせ、ブリッジパートだけを本人が弾くという意地っ張りをやりましたからねぇ〜。

あながち間違ったホラを吹いたわけでもないのでしょう。

ちなみにレス・デューデックのギタースタイルには、ディッキー・ベッツっぽい味わいが滲んでしまうという皮肉があるのも、せつないところです……。

ということで、それでもサイケおやじはレス・デューデックが好きなんですよ♪♪〜♪

既に述べたとおり、知るだけでも4〜5枚は作っているアルバムは何れもヒットしたとは言い難いんですが、バックの参加メンバーには気になる面々が常に顔を出していますし、AOR〜フュージョン、そして伝来のサザンロックやロッキンソウルな歌と演奏には、そこに一般ウケする要素がイマイチ希薄なのが正直な受け取り方であろうとも、好きにな人には好きとしか言えない世界があるように思います。

そしてサイケおやじは何時の日か、レスポールのゴールドトップの入手を願っているのでした。

昇天……

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ブログ用データ等々を入れていたPCが今朝、昇天しました……。

おそらく熱中症から電源がやられたようで、全く起動しません。

そこで先ほどからハードディスクを取り出して、あれやこれやの仕事をやってます。

うむ、長年働いてくれたからなぁ〜〜〜。

なんとかスキャンした膨大なジャケ写画像だけでも、助かって欲しいです。

本日の1枚は休載させていただきますが、世の中全て、諸行無常を痛感させれた事には感謝せねばならないのでしょう。

独り、掌を合わせる心境です。

失礼致しました。

すんまへん

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……、と思わず関西弁が出たのは、もちろんサイケおやじが当地に出張しているからです。

そして昨日ご報告の状況からHD救済は一歩も進まず、本日のテイタラク、お詫び申し上げます(__)

今も八月の砂は濡れているのか

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■八月の濡れた砂 / 石川セリ (キャニオン)

今年の夏も暑く、また豪雨による大被害が報告される中、関西方面へ出張したサイケおやじが感じた事は、なんとなく西日本では夏が終わりかけているような……。

もちろん、夏はまだ、終っちゃ〜〜いないっ!

ということで、本日掲載したのは昭和46(1971)年の日活映画「八月の濡れた砂(藤田敏八監督)」より、同名主題歌を入れた石川セリのシングル盤です。

しかし、ご存じのとおり、この映画が封切られた同年8月末は日活が経営不振で瀕死の状況であり、結果的に以降はロマンポルノ路線に転じて行った事で、芸能史的には「日活最後の一般映画」という認識ばかりが取沙汰されるのは、いやはやなんとも……。

そりゃ〜、確かに映画本篇は、何かが起こりそうで、実は青春の焦燥を表現したとしかサイケおやじには思えない、何にも起こらない無気力節の心地良さみたいな作品ですから、それが如何にもリアルタイムの世相にはジャストミートしていたのでしょう。

かなりの高評価が今も継続しているのは、皆様ご存じのとおりです。

そして忘れてはならないのが、石川セリが歌った主題歌「八月の濡れた砂」で、サイケおやじには、むしろそれがあってこその映画というのが本音なんですよ♪♪〜♪

あぁ、作詞:吉岡オサム&作曲:むつひろし、そして編曲:秋葉洋による、せつない歌が石川セリの外人系の節回しで表現されてしまう狙いを、あざといと言うなかれ!

実は映画本篇では、この主題歌よりも、イメージサントラ音源としてのメロディがさらにグッとサイケおやじを惹きつけているんですが、それはコーラスがメインのインスト系ですから、やっぱり歌詞を聞かせてくれる石川セリの倦怠フィーリングが逆に熱いわけでしょうか。

ところが、このレコードが出たのは翌年春の事であり、ヒットチャート云々で語られるような売れ方はしなかったと記憶しているんですが、同時にラジオの深夜放送では、なかなかオンエア率が高かったような気がしています。

ですから、サイケおやじは今でも「八月の濡れた砂」を聴くと、映画本篇の様々なシーンが所謂走馬灯のように浮かんでは消えるという、使い古された恥ずかしい表現に陥るのですが、既に述べたとおり、個人的には映画としての「八月の濡れた砂」は感性に合っていません。

むしろ同時上映された夏純子主演の「不良少女魔子」が百倍も千倍も好きな作品なんです!

そこで窮余の一策!?

映画本篇と主題歌を切り離して楽しむのが得策と、自分に言い聞かせてながら、今日まで長い年月が流れてしまいました。

そこで映画「八月の濡れた砂」については、詳しく述べる事なんてことは、サイケおやじにとっては暴挙と不遜というわけです。

ちなみに当然ながら、作品そのものはビデオ時代を経て、現在ではDVD化されているので、サイケおやじは件のイメージサントラ音源を入れたCD付のソフトを買ったんですが、やるせないメロディが心に滲みるCDばっかりを車の中で鳴らしては、あの夏の日の思い出に浸るような自己満足をやっているのですから、お恥ずかしい……。

最後になりましたが、「八月の濡れた砂」から「ざんげの値打もない」を聴いたり、歌ったりしたくなる皆様におかれましては、サイケおやじも強く共感を覚える次第でございます。

失礼致しました。

ある朝、突然とはいえ…

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本日未明、広島を襲った集中豪雨〜土石流により、仕事場の同僚の実家も被災したようです。

ちょうど夏休みで帰京していた同僚とは、未だに連絡が取れず……。

あれだけの大被害が報道されていれば、如何ともし難いわけですが、悶々とした心境であります。

どうか、無事でいて欲しく、また被災された皆様には、心からお見舞い申し上げます。

 

 

※追伸

この記事をアップしてから、ほどなく件の同僚から連絡が入りました。

なんとか家族も家も無事とはいえ、周囲は土砂でいっぱい、停電して水道も止まって……。

とりあえず避難所に集まっているそうですが、予断は許されないわけです。

一刻も早い復旧・復興を願うばかりです。

渚のみさきひろ子

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■渚の出来事 / みさきひろ子 (東芝)

歌謡曲は別名として流行歌でありますから、中身のサウンドや歌詞共々、殊更日本盤アナログ7インチシングルに特徴的なピクチャースリーヴにも、それが顕著に出ているわけで、平たく言えば登場している歌手のメイクやファッション、ヘアスタイル等々がリアルタイムを反映している事は言うまでもありません。

例えば本日掲載のシングル盤は、昭和46(1971)年に発売された、みさきひろ子という、些かマイナーな女性シンガーの1枚ではありますが、そのジャケ写の全てが当時の流行がど真ん中!

そういう感慨に耽ってしまうのが、これまたサイケおやじと同世代の皆様の心情かと、推察する次第です。

そして中身が、そのイメージどおり、黛ジュンの系譜に連なる歌謡ポップスの王道路線なんですから、たまりません。

ただし、黛ジュンが所謂「パンチの効いた」ソウルフルなボーカルスタイルであったところが、みさきひろ子は「コブシの効いた」歌謡曲保守本流の歌い回しが持ち味のようですから、それが絶妙に下世話なフィーリングを滲ませる個性というところでしょうか。

それが作詞:なかにし礼&作編曲:鈴木邦彦が書いたA面収録の「渚の出来事」には飛びっきりに表現されていて、思わず何度でも聴きたくなってしまうのは、歌謡曲愛好者の宿業のひとつかもしれませんよ♪♪〜♪

もちろん鈴木邦彦が制作に関わっている以上、この「渚の出来事」が、もしかしたら黛ジュンを想定して書かれた未発表作品であった?

という推察も易いところで、それは当時の黛ジュンが既に東芝レコードを離れ、フィリップスに移籍していたという事実も何やら関連がありそう……、と勘繰るのも楽しかったりしますが、それはそれとして、みさきひろ子が聞かせてくれる独特の歌謡グルーヴは、なかなか素敵です♪♪〜♪

残念ながら大きなヒットには結びつきませんでしたが、昭和歌謡曲ファンの皆様には、ぜひともお楽しみいただきた、裏街道の名曲名唱と強く思っています。

そして最後になりましたが、当時は恒例であった見開きのスリーヴには、ピッチピチでデルタ地帯のクイコミも気になるホットパンツ姿の彼女が♪♪〜♪

う〜ん、良い時代でした。

スペクトラムのドンズバ

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■トマトイッパツ / スペクトラム (日本ビクター)

1970年代前半をピークとしてのブラスロックはBS&Tシカゴ、さらにはチェイス等々、我が国でも人気の高かったバンドが多大な影響を残し、それは歌謡曲にも存分に流用されていたわけですが、そのルーツには黒人系ソウルミュージックがある事は、1970年代後半から大ブレイクしたアース・ウインド&ファイアー=EW&Fにも明らかでしょう。

そして当然ながら、そのフォロワーがどっさり登場していたのは言わずもがな、しかしその演奏能力の優劣が忽ち表面化するスタイルゆえに、決して大衆を納得させるグループは極少数であった現実の中、日本では掲載のシングル盤で昭和54(1979)年夏に堂々のデビューを飾ったスペクトラムが強烈な印象!

なにしろスタジオで作られたレコードはもちろん、ライブの現場でも一糸乱れぬブラスアンサンブルと鉄壁のリズム隊による鋭い演奏は、何か笑って許しての世界観さえありましたからねぇ〜〜♪

実はリーダーの新田一郎(tp,vo) 以下、兼崎順一(tp)、吉田俊之(tb)、西慎嗣(g,vo)、奥慶一(key)、渡辺直樹(b,vo)、岡本郭男(ds)、今野拓郎(per) というメンバーは何れも歌謡スタアのバックバンドやスタジオワークの世界では手練れの名手揃いで、特にキャンディーズのバックバンドが、その前身であった事は有名でしょう。

しかもスペクトラムが徹底していたのは、ステージ衣装のキッチュな感覚で、それはスペーススーツのようでもあり、ファンタジー系SF映画のキャラクターデザインのようでもあり!?!

そのあたりも完全に和製EW&Fを狙っていたのでしょう、殊更新田一郎のボーカルは些かパワーに欠けるとはいえ、本家フィリップ・ベイリーを意識した刹那のファルセットを全面使用のあざとさもニクイばかりでしたし、なによりもメンバーがきっちりライブの現場で振付まで披露していたのですから、良識派(?)からはキワモノと言われ、一部にはコミックバンドと受け取られていたのも真実に近いものがありました。

ただし、そういうステージアクトは例えばキャンディーズのバックバンド時代から既にやっていた事ですし、サイケおやじは生涯唯一度だけ接したキャンディーズのライブの場で、プレ・スペクトラムの演奏の上手さ、凄さに圧倒された記憶は今も鮮烈です。

で、このシングル盤A面曲「トマトイッパツ」は、そんな諸々を鑑みれば、如何にもの色物性が感じられるわけですが、しかし宮下康仁の作詞は完全にカタカナ系の日本語であり、加えてスペクトラムの作編曲が黒人ミュージックの黄金律を使ったフィ〜ル・ソ〜・グ〜〜ッな仕上げになっていますからねぇ〜〜〜♪

既に述べたとおりのシャープな演奏力も全開ならば、その究極の大衆性も狙いがドンズバ過ぎて、これって、笑いながら鑑賞してもOKなんだよねぇ〜〜?

等々、思わず周囲の顔色を気にしなければならないほど、スペクトラムは凄い存在でありました。

ちなみに当然ながら、楽器に携わる者の中でも吹奏楽系のプレイヤーは特に中高生の間でスペクトラム信者が多かったようで、新田一郎が十八番のステージアクトだったトランペット回しを真似る生意気も、なかなか憎むことが出来ません。

スペクトラムは結局、2年ほどの活動で解散してしまいましたが、そうなってから初めてスペクトラムの神髄と存在価値に気づかされた音楽ファンも多いとかっ!?

ということで、真夏にスカッと痛快なのがシャープなブラスロックであるとすれば、スペクトラムが残した諸作を大音量で楽しむのも素敵です。

彼らのアルバムは現役時代に5枚ほど作られましたが、それはLP片面がブッ通しで続く曲間無の形式がほとんどなので、カットされたシングル曲は固有の編集バージョンになっているのも要注意!

繰り返しますが、リアルタイムを知っていれば、スペクトラムをキワモノと嘲る事も、そりゃ〜個人の自由ですから、サイケおやじは何を言う事も致しません。

基本姿勢は、ただただ、好きだから聴いているというわけです。


ダブルパンチ!?

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どっひぇ〜〜〜!?

昼前にクーラーと冷蔵庫が……、ほぼ同時に壊れてしまったよぉ〜〜ん!?

そこで今は家族と家電量販店を訪れているんですが、なんだか今年の夏は物入りで、大散財でござんす。

嘆き節、失礼致しました(__)

夏なれば、小林麻美のレッスン希望

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■恋のレッスン / 小林麻美 (東芝)

サイケおやじの畏友の会社は羨ましい事に、5〜6名ほどの女性従業員全てが巨乳!?!

最初に訪れた時から完全に目を奪われてしまったんですが、それは決して偶然の産物ではなく、経営方針というか、最初っから女性は巨乳でなければ雇わないという、どうにも信じ難い現実が貫かれているんですから、頭が下がります。

しかしですねぇ〜、負け惜しみじゃ〜なくて、こんな猛暑続きの中では、文字どおり暑苦しい事も確かであって、失礼ながら、それほど広くはないオフィスに圧迫感が漂うのは???

うむ、やっぱり夏場ではスレンダーな美女が好ましいですよ。

ということで、本日は小林麻美にご登場願った次第ですが、どうです、涼しくも美しい彼女の佇まいは、それが発売された昭和48(1973)年初夏のファッションも眩しいほどにジャストミートですから♪♪〜♪

作詞:橋本淳&作編曲:筒美京平によるA面曲「恋のレッスン」が、哀愁のイントロからアメリアッチ調が入ったハリウッドポップス風味の歌謡曲に仕上がっていれば、例によって小林麻美ならではの「舌っ足らず」な節回しが要所のキメになっているという、いゃ〜、実に辛抱たまらんの世界ですよねぇ〜♪

ただし、サイケおやじは決して巨乳が嫌いではなく、むしろ大好物という性癖は皆様ご推察のとおりなんですが、ある日突然、揺れてしまうわけです、恥ずかしながら。

そんなこんなも随時告白させて下さいね、これからも宜しくです。

そんな場合じゃ〜ないけれど

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■California Girls / David Lee Roth (Warner Bros./ ワーナーパイオニア)

夏と云えば海ですから、日頃ハードロックに邁進している熱血野郎でさえも、砂浜が恋しくなるのでしょうか?

なんとっ!

「夏と海と女の子」のイメージを決定的なウリにしていたビーチボーイズの代表曲「California Girls」を、1980年代前半のハードロック業界ではバリバリの看板バンドであったヴァン・ヘイレンのボーカリストというよりも、独特のおバカキャラで人気を集めていたデイヴ・リー・ロスが自己名義で歌ってしまうという暴挙には心底、浮かれさせられましたねぇ〜〜〜♪

それが本日掲載のシングル盤なんですが、ご存じのとおり、当時はテレビで放映するプロモビデオが所謂「MTV」と称されたブームのど真ん中でしたから、基本的に楽しい楽曲が既に述べた様なデイヴ・リー・ロスのトンパチな個性を存分に活かした映像共々の作りになっていたのは、忽ちの大ヒットの見事な戦略の勝利と思うばかりです。

そのあたりは現在でもネットで簡単にお楽しみいただけますので、これ以上、サイケおやじが稚拙な筆を弄する必要もないわけですが、それでも、ど〜しても訴えたいのがデイヴ・リー・ロスのカバーバージョン、そのものの仕上がりについてです。

それはビーチボーイズのオリジナルバージョンが1965年夏の発売ですから、およそ20年後の1985年に作られたカバーバージョンであれば、そこにはシンセ系キーボードをメインにしたサウンド作りが顕著でありながら、決して基本を蔑ろにしていない忠実さがあって、特に楽しさを抑えきれないようなコーラスワークは秀逸!

実はここには本家ビーチボーイズからカール・ウィルソン、それと噂ではブルース・ジョンストンがコーラスバートに参加しているそうですし、ブライアン・ウィルソンと一緒に曲を書いたマイク・ラヴも何やら関与しているというのですから、さもありなんです。

なにしろビーチボーイズのオリジナルバージョンはLP「サマー・デイズ」、あるいは同時期にカットされたシングル盤で世界に伝播され、それは耳に馴染んだものですから、デイヴ・リー・ロスにしても、下手な小細工は通用しないと覚悟を決めていたのかもしれませんねぇ〜〜。

ちなみに演奏パートにはウィリー・ウィークス(b)、ジョン・ロビンソン(ds)、エドガー・ウィンター(key)、ブライアン・マン(key)、サミー・フィゲロア(per) 等々の参加が確認されますが、その不思議な軽薄感がノーテンキな歌詞を意識してるのだとしたら、例によって自堕落(?)フレイバーを撒き散らすデイヴ・リー・ロスは、まさに大願成就!?

ジャケ写にもきっちり掲載されているように、堂々のソロデビューながら、「解散はしないよ」なぁ〜んていう、素っ呆けた名台詞がニクイばかりでしょう。

今となっては、既にヴァン・ヘイレンからの脱退は決まっていたらしんですが、かなりの生真面目人間っぽい同バンドの他のメンバーから些か浮いていたのは否めませんし、だからこそブレイク出来たと言われれば、それでお終い!

でも、だからこそ、1980年代がど真ん中の諦めムードが懐かしくも、面映いです。

ということで、そんな事を書いていたら、件のカリフォルニアで大地震が発生したとか!?

いやはやなんとも、アメリカ中の女の子が全て、カリフォルニア娘だったらねぇ〜、とか歌ってる場合じゃ〜なさそうです……。

う〜ん、我が国も世界も、天変地異ばっかりで、被災された皆様には、心からお見舞い申し上げます。

やっちまったぜっ、それでもアメリカの憎めなさ♪

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■I Need You / 川のほとりで / America (Warne Bros. / ワーナーパイオニア)

1970年代ロックのひとつの流行に、所謂「ビートルズっぽさ」が認められるのは、本家ビートルズが実質的に解散状態であったからでしょう。

もちろん件の「ビートルズっぽさ」はビートルズが世界的に大ブレイクした1964年以降、例えばホリーズが小型ビートルズと呼ばれたり、それらしい似たような音楽をやっていたバンドは夥しかったんですが、結局は現役ビートルズには肩を並べる事すら出来ず、真似っこと批判するよりは、微笑ましさや姑息さばかりが目立っていたと思います。

ところが前述したとおり、ビートルズがもはやピカピカの新曲を出してくれない状況となれば、弟分筆頭格としてのバッドフィンガー、我が国のチューリップ、その英国版みたいなパイロット等々が堂々の人気を確立したのですから、時の流れは偉大です。

そして我々、ビートルズに薫陶を受けた(?)ファンは1970年代に入って、おぉっ! これはビートルズっぽいなぁ〜〜♪ という印象に快感を得るのが許されたところで、アメリカが演じた本日掲載のシングル盤A面曲「I Need You」は絶妙の登場でありました。

なにしろ問題(?)の「ビートルズっぽさ」のキモがジョージ・ハリスン節であり、極言すれば畢生の名曲「Something」がモロですから♪♪〜♪

いゃ〜、実際これは皆様に聴いていただく他はないほどの説得力とでも申しましょうか、裏メロで元ネタを歌ってしまうのも必然のリメイクみたいな、う〜ん、これで良いんでしょうかねぇ〜♪

あっ、そういえばジョージ・ハリスンはビートル時代に「I Need You」という佳曲も書いていましたですねっ!

はっはっはっ、この因果の巧みさは洒落が効きすぎて、笑っちまいますよ♪♪〜♪

ちなみに曲を書いたのはメンバーのひとりでメガネも印象的なジェリー・ベックリーで、当時のライブ映像を見ると、ピアノを弾きながらリードを歌っているんですが、このスタジオバージョンでも、ピアノがあってこその仕上がりになっているあたりは、アメリカ=CSN&Y系のアコースティックギターがメインのグループというイメージとはちょっぴり異なると思います。

その意味でアメリカが「ビートルズっぽさ」を秘密兵器(?)にしつつ、ついにはビートルズの水先案内人だったジョージ・マーティンにプロデュースを依頼し、更に飛躍したのは無関係ではないでしょう。

しかしご安心ください。

アコースティックギターに彩られた西海岸風フォーキーポップスを求めるファンにはB面収録の「川のほとりで」が絶好のプレゼントになるはずで、アップテンポの快調なノリで繰り広げられるギターのリズム&リードの楽しさやオープン系ハーモニーを用いたコーラスワークの心地良さは、まさにヤミツキ症候群♪♪〜♪

告白すれば決してアコースティックギターが得意ではないサイケおやじでさえも、この「川のほとりで」を仲間達とコピーしていたという前科は消せるものではありません。

ということで、ビートルズとCSN&Yという、1970年代前半においてさえ、最も人気と影響力があったグループの音楽性を臆することなくパクっていたアメリカは、何故かリアルタイムでも、それほど貶され事は少なかった印象です。

そのあたりの憎めなさは、まあ、サイケおやじだけの気持ちかもしれませんが、このシングル盤両面2曲を入れたデビューアルバムが、これまたそうした印象に満たされているのですから、たまりませんよ♪♪〜♪

うむ、今はアコースティックギターを抱えたい気分です。

会議は踊らない

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会議が縺れているので、本日の1枚は救済、ご理解下さい。

あ〜ぁ、スイングしない話し合い、ガチンコなんて本当につまらないと実感しております(__)

大人になったキューピット

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■横浜レイン / キューピット (テイチク / ユニオン)

着エロ歌謡の美しき双子姉妹であったキューピットは、残念ながら思惑ほどのブレイクはありませんでしたが、それでもサイケおやじにとっては忘れえぬアイドルスタアです。

なんたってセクシー&エレガントな立振る舞いには華がありましたからねぇ〜〜♪

最近の学芸会みたいな集団アイドルと比べることすら次元が違う輝きは、この姉妹が芸能界から去って後も霧散することはなく、例えば掲載の昭和54(1979)年秋に出た、おそらくはキューピットにとっては最後のシングル盤であろう1枚だけでも、ジャケ写のクールで穏やかな雰囲気の良さにKOは必至!

しかも収録A面曲「横浜レイン」が作詞:伊藤アキラ&作編曲:萩田光雄によるメロウフュージョンなラテン歌謡なんですから、サンタナ風ギターも含めたサウンドの心地良さと幾分素っ気ない彼女達のユニゾンボーカルがジャストミートですよ♪♪〜♪

言い換えれば、それまでのアイドル歌謡からAOR歌謡への転進という感じであって、その大人っぽいムードが大きな魅力になっています。

ところが残念ながら、この頃の、つまりは「横浜レイン」を歌っているキューピットにサイケおやじはテレビでも実演でも接したことがありません。

ですから、どのような衣装で歌い、どんな振付を演じていたのかは全く妄想するしかなく……。

だからこそ、キューピットの映像集が纏まって復刻されん事を決死的に望んで幾年月!

また今日も、そんな気持ちを吐露しつつ、これを書いているのでした。

過ぎゆく夏にパイシスを

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■恋人と来ないで / パイシス (Alfa / 東芝)

サイケおやじは職業作家としてのユーミンも大好きで、もちろん結果的にセルフリメイクされた楽曲の素晴らしさは言うまでもないんですが、しかし最初のオリジナルバージョンの方が♪

という作品も少なくありません。

例えば本日ご紹介のシングル盤A面曲「恋人と来ないで」は、昭和51(1976)年に発売されたパイシスという、失礼ながら全く売れなかった男女デュオのために書き下ろされた、これが素敵な歌謡ポップスの極みつきで、既に皆様ご推察のとおり、ユーミンのセルフリメイクバージョンは昭和55(1980)年発表のメガヒットアルバム「サーフ&スノウ」に入っている名曲なわけですが……。

しかしパイシスだって、きっちり松任谷正隆の煌めくアレンジに彩られた所謂ユーミンワールドを全開披露♪♪〜♪

とにかく流麗なストリングスやハープの存在感に負けないボーカルのコンビネーション&ハーモニーが絶品なんですねぇ〜♪

寄り添うハイファイセットのバックコーラスも良い感じ♪♪〜♪

これをユーミンが前述の「サーフ&スノウ」収録バージョンになると岡田真澄をデュオの相手として、素っ気ないほどシンプルに歌っているんですから、パイシスバージョンを先に知っていれば物足りないのもサイケおやじの偽りのない心情というわけです。

ちなみにパイシスはポール岡田と寺門ユキが川添象郎のプロデュースで結成したデュオというのが定説で、なんでもポール岡田は末期カーナビーツのボーカリストでもあったそうですが、サイケおやじの記憶は曖昧です。

ところが後にポール岡田が宣伝業界で化粧品CM絡みのヒット曲、例えばサーカスの「Mr.サマータイム」とか山下久美子「赤道小町ドキッ!」等々を制作したプロデューサーの長岡和彦と同一人物であった事を知って、吃驚仰天!!?!

他にも大きな業績を残していることは、皆様もご存じのとおりでしょう。

う〜ん、人に歴史あり、ですよねぇ〜〜〜。

告白すればサイケおやじは、決してリアルタイムでパイシスを知っていたわけではなく、冒頭で述べたとおり、職業作家としてのユーミンを探索中の昭和52(1977)年末頃、この「恋人と来ないで」という楽曲と収録レコードに邂逅し、本来の主役たるパイシスは完全にノーマークでありました。

でも、今聴いても、パイシスは素敵なデュオだと思います。

残念ながら私有盤は、これっきりなんですが、実はもう1枚、デビュー作と言われるシングル盤が存在しているらしいので、探索は続行中であります。

ということで、今日も甘く、せつない夏の歌をご紹介したつもりなんですが、いかがなものでしょうか?

今年も夏は過ぎていくばかり、せめて、こういう歌を愛でているのでした。


未だ正義感は

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■葬いは俺が出す / 千葉真一 (キングレコード)

呆れた事件は昔っから夥しいわけですが、最近では飼い主と一緒で無抵抗の盲導犬に鋭利な刃物を突き刺すというニュースには、サイケおやじも憤激するしかありませんでした。

そして同時に驚いたというか、警察が捜査する容疑が「器物損壊」って!?!

なんだか法律の脆弱さ、曖昧さを感じてしまったのはサイケおやじだけでしょうか?

盲導犬に限らず、ペットや家畜だって、飼い主にとっては心の友であり、生涯の伴侶かもしれない存在なのに、「物品」としてしか法律は見ていないのは、そういう事には専門外のサイケおやじには解せないわけで、もしも件の盲導犬が、その所為で飼い主の誘導を誤り、取り返しのつかない事故にでも繋がったら、やらかした犯人の処罰は、ど〜なるんでしょうねぇ〜〜?

なによりも、訓練の成果とはいえ、無抵抗で耐えていた被害盲導犬の任侠が哀れですよ。

また、もうひとつ、最近の難病支援に事寄せた「氷水」キャンペーンは、まあ、それはそれとして悪くは無いと思いますが、なんとっ!

防水スマホを出している某メーカーが、そういう仕様の機種を出していないライバル会社を指名して、自社製品に氷水を浴びせるというのは、バカ丸出し!

やっぱり、あの民族の思考は世界の良識からは大きく外れていると思われたって、言い訳も出来ないでしょう。

実際、サイケおやじはスマホの買い替えを検討の最中、第一候補にしていた問題の会社の防水仕様機種は除外するしか無いという決定で、正直に告白すれば、苦渋の選択という口惜しさもあるほどです。

しかし、そんなバカヤローを使うほど、落ちぶれてはいないという矜持は大切にするしかありません。

さて、そこで本日は、そんなこんなの気分で選んだシングル盤A面曲「葬いは俺が出す」をご紹介させていただきます。

ご存じ、世界のサニー千葉こと、千葉真一が主演した昭和47(1972)年の同名映画(東映・斎藤武市監督)の主題歌なんですが、マカロニウエスタンと歌謡フォークが合体したようなサウンド&曲メロに乗せて歌うというよりも、逆らえない語りを聞かせる千葉真一のボーカルが強いんですねぇ〜〜♪

もちろん破天荒に面白い映画本篇にジャストミートしているのは言わずもがな、なんか、ここまで言いきられてしまうと、世の中で自分の意に沿わない者は駆逐して当然という衝動に駆られてしまいそうな、なかなかにアブナイ感度は良好ですよ。

ちなみにこれを書いたのは作詞:及川恒平&作曲:小室等という、当時は六文銭というフォークグループをやっていたコンビなんですが、アレンジが寺島尚彦という事は、例のテレビ時代劇「木枯らし紋次郎」の主題歌として同年に上條恒彦が大ヒットさせた「だれかが風の中で」と似たような雰囲気であれば、あながち歌謡フォークという思い込みは厳禁でしょう。

というか、寺島尚彦といえば、永遠の歌謡フォーク「さとうきび畑」の作者として有名過ぎる存在でありながら、この頃の小室〜寺島ラインは要注意と思います。

ということで、恥ずかしながら、少年時代は本気でワイルド7に入りたかったサイケおやじですから、未だ正義感は消えずと言いたいところなんですが、正義を遂行するには自分も傷つかずにはいられないとう真理に鑑みれば、憤るのが精一杯……。

でもねぇ〜、自分の目の前の悪辣を見ないようにする努力なんてのは、する気がないのでした。

この素晴らしき秘宝

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■The Unissued Cafe Bohemia Broadcasts / Miles Davis (Domino = CD)

またまた出ましたっ!

というマイルス・デイビスの発掘音源CDで、内容はジョン・コルトレーンを擁していた1956〜1958年のクインテットによるライプ演奏がメインになっています。

しかもネタ元がニューヨークにあったモダンジャズの聖地「カフェ・ボヘミア」からのラジオ中継ですから、ブツを開封する前からワクワクしてしまうのは、もはやジャズ者の宿業とばかりも言えません。

ところが、こう書いていながら、サイケおやじはバチアタリにも昨年買ったまんま、他にも買っただけで安心満足している夥しいCDやDVD等々の中に埋もれさせていたのですから、深く反省し、お詫びを申し上げる他はございません。

そして中身は、やっぱり凄いモダンジャズの神髄が堪能出来たのですから、サイケおやじの改悛の情を以下のご紹介でご理解願えれば、幸いでございます。

☆1956年9月15日
 01 Theme / Announcement
 02 Well You Needn't
 03 It Never Entered My Mind
 既に述べたとおり、ここから1957年4月13日までの3回のギグはマイルス・デイビス(tp) 以下、ジョン・コルトレーン(ts)、レッド・ガーランド(p)、ポール・チェンバース(b)、フィリー・ジョー・ジョーンズ(ds) という所謂オリジナルクインテットの演奏になっていますで、世に言うところの「プレスティッジのマラソンセッション」を経ながらのハードパップなマイルス・デイビスが楽しめますよ。
 気になる音質も全く普通に聴けるレベルというか、現在のような高音質ブートに慣れきっているお若い皆様の感覚は知る由がなくとも、ジャズという今では伝統芸能になってしまった音楽ジャンルに親しんでおられるのであれば、このメンバーによる極めて日常的なライブ演奏に接する幸せは大切な宝物と思います。
 なにしろグイノリのベースにリードされるアグレッシヴな「Well You Needn't」では、なんとかクールな素振りを保つことに腐心するマイルス・デイビスとハズシ気味のジョン・コルトレーンの対比、さらに和みのレッド・ガーランドと若さ溢れるポール・チェンバースの間に立って絶妙のクッションを作り出すフィリー・ジョーという、これが当時ののマイルス・デイビス・クインテットの終わりなき日常だったんでしょうねぇ〜〜♪
 その意味で続くスローな歌物「It Never Entered My Mind」が皆様ご推察のとおり、マイルス・デイビス十八番の繊細な表現に徹して演じられるのは、ファンが一番に望むところと思います。
 ちなみに録音状態ではポール・チェンバースのベースが強くミックスされているのが個人的には高得点♪♪〜♪

☆1956年9月29日
 04 A Gril In Galico
 05 StableMates
 06 How Am I To Know (imcomplete) / Closing Announcements
 いきなりマイルス・デイビスが得意技であるミュートによるアップテンポの歌物演奏「A Gril In Galico」とあって、スピーカーの前のサイケおやじもテンションが高くなるのを抑えきれませんが、フィリー・ジョーのドラミングも冴えまくりですよ♪♪〜♪
 ですからそれなりに快調なジョン・コルトレーンと定番フレーズ連発のレッド・ガーランドにはジャズ者歓喜の瞬間が満載でしょう。
 そしてご存じ、モダンジャズのスタンダード「StableMates」が続けて演奏されるとあつては、ジャズが好きで良かったぁぁぁぁ〜!
 とジコマンを超えた感慨に浸る他はありません。
 音質も「9月15日」のセッションと同等ですので、素直に楽しめると思います。
 ただし残念過ぎるのが「How Am I To Know」が完奏バージョンで聴けないという……。まあ、これはラジオ中継放送ならでは事態なんでしょうが、かなり早いテンポで演じられている事からして、なにか時間を気にしていたと思えば、意想外の迫力にも納得です。

☆1957年4月13日
 07 The Theme
 08 Woody‘n You
 09 Walkin'
 この日もなかなか快調な演奏が聴かれるので、一説によるとバンド内部には相当に悪いクスリが蔓延していた事から、マイルス・デイビスは困っていたという逸話も???
 それほど熱いんですねぇ〜、このパートは♪♪〜♪
 とにかくハードボイルドな「The Theme」から爆発的な「Woody‘n You」の突撃姿勢、さらに「Walkin'」におけるグルーヴィな押し出しは、今更ながらモダンジャズが一番にヒップだった時代を再認識させられてしまいます。
 ちなみに歴史的な考察として、おそらくはこのライブギグ直後あたりにマイルス・デイビスは自己のバンド、つまりはオリジナルクインテットを解散させたと言われていますから、感慨も深いですよねぇ〜。
 もちろん音質も普通に聴けるレベルなので、ご安心下さいませ。

という以上の音源は少なくともサイケおやじは初めて聴けた、素晴らしい「お宝」です。

☆1958年5月17日
 10 All Of You (imcomplete) / Announcement
 11 Announcement / Four
 12 Bye Bye Blackbird
 13 Walkin'
 14 Closing Announcement / Two Bass Hit
 さて、しかしこのパートは、これまでにも度々ブートやハーフオフィシャル盤で広く人気を集めた音源で、メンバーはマイルス・デイビス(tp) 、ジョン・コルトレーン(ts)、ビル・エバンス(p)、ポール・チェンバース(b)、フィリー・ジョー・ジョーンズ(ds) という、今では夢のクインテットなんですか、何といってもジョン・コルトレーンの急成長というか、例のシーツ・オブ・サウンドが完成間近の吹きまくりスタイルがたまりません♪♪〜♪
 それは「Four」の突進力で一発明快、まさにハードパップの痛快を楽しめると思いますが、もうひとりの看板スタア(?)であるビル・エバンスの存在感も地味ながら侮れないでしょう。
 そりゃ〜、確かに黒人音楽的なノリとは異なっていますが、同時にポール・チェンバースとフィリー・ジョーの名コンビによる躍動的な保守本流のジャズビートがあればこそ、今も不思議な新感覚がニクイばかりで、「Bye Bye Blackbird」における変態イントロとか、それはそれでカッコマンの親分を「その気」にさせるんじゃ〜ないか?
 なぁ〜んて、生意気な妄想も止まず、確かにマイルス・デイビスのミュートはジャズ者の琴線に触れるのであります。しかもジョン・コルトレーンが意図的に歌心を無視せんとするような態度!? ですから、そこに続くビル・エバンス特有の前ノリっぽいアドリブスタイルが愛おしいわけですが、当然ながら好き嫌いは十人十色ですから、ここでの「Walkin'」を前述1957年4月13日のセッションと聞き比べるのも一興かと思います。
 う〜ん、マイルス・デイビスって、何時も同じようなフレーズしか吹いていないのに、それは麻薬なんですよねぇ〜、実際♪♪〜♪

☆1958年11月:ニューヨークでのテレビショウ「Art Ford Jazz Party」
 15 What Is This Things Called Love?
 さて、これはボーナストラックとはいえ、かなり問題の音源で、一応確定とされているメンバーはナット・アダレイ(cor)、ベニー・グリーン(tb)、キャノボール・アダレイ(as)、ジェリー・マリガン(bs)、レッド・ガーランド(p)、バリー・マイルス(b)、キャンディド(per) に加えて他数名というのが定説なので、マイルス・デイビスの参加は疑問が残るところ……。
 しかし演奏終了間際に入るMCでは、マイルス・デイビスも含めて、上記のメンバーの名前が飛び出しています。
 もちろん実際に聴けばジャケット記載のクレジット諸々を素直に信じる事は出来ず、気になる演奏はラテンバーカッションが効いたアップテンポのハードパップに仕上がっているわけですが、このギターは誰? このピアノは本当にレッド・ガーランド? という不思議も打ち消せず、まあ、それを推察するのも楽しいと思いましょうよ。
 そこでサイケおやじの当て推量は、キャンノンボール・アダレイじゃ〜なくて、ジジ・グライス(as)、またギターはケニー・バレルかもしれないと思うんですが、いかがなものでしょうか?

☆1953年2月21日:ワシントンD.C.
 16 A Night In Tunisia
 そこでこれもボーナストラックながら、おそらくは初CD化の音源と思います。
 メンバーはマイルス・デイビス(tp)、アレン・イーガー(ts)、テリー・ソウプ(p)、マックス・ローチ(ds)、そして正体不明のベース奏者が繰り広げるのがモダンジャズの聖典曲で、しかもアドリブパートも含めて、ほとんどマイルス・デイビスの独り舞台という熱気は危険極まりないです。
 特にマックス・ローチのドラムスはポリリズムの恐ろしさが既に全開!
 ええぇ〜ぃ、ブラウニーは出ないのか!?
 なぁ〜んていう不条理な思いは、決して不遜ではないと書けば、お叱りでしょうか?
 サイケおやじは正直を貫きたいです。

以上、これは本当に素晴らしい音源集で、冒頭で書いたように、ゲットしながら聴いていなかった自らのバチアタリを深く反省後悔しているのが、サイケおやじの現況……。

どうかジャズ者の皆様には、ぜひとも聴いていただきたく、強くオススメしたい「秘宝」というわけです。

初秋に洋楽ポップスを

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■星影のバラード / Leo Sayer (Chrysalis / 東芝)

いよいよ9月がスタートし、所謂初秋ともなればロマンチックな洋楽ポップスが恋しくなるサイケおやじは「星影のバラード / More Than I Can Say」が大好き♪♪〜♪

もちろんこの歌は本日掲載のシングル盤A面曲として、1980年末にレオ・セイヤーが歌い、世界的なメガヒットにしてしまったので、誰もが一度は耳にしたであろう、なかなか胸キュンのメロディと弱気(?)な歌詞が刷り込まれている皆様も大勢いらっしゃるでしょう。

実際、ウエストーストロック風味のAORサウンドに彩られたレオ・セイヤーのバージョンは心地良すぎるわけですが、そんなこんなを書いたのも皆様ご存じのとおり、この素敵な名曲はレオ・セイヤーのオリジナルではありません。

既に1960年頃、アメリカの粋なR&Rバンドだったクリケッツがイギリスや欧州でヒットさせ、さらには1961年にボビー・ヴイーがアメリカで小ヒットさせていたのですから、レオ・セイヤーはそれをカバーしていたわけです。

ちなみにオリジナルバージョンを書いたのは前述したクリケッツのメンバーであるソニー・カーティスとジェリー・アリソンという事は、当然ながら同バンドの看板であり、偉大なるロケンローラーであったバディ・ホリーの突然の悲報があって後の作品……。

 俺が言うより、もっと君を愛しているよ

なぁ〜んて、些か歯の浮くような歌詞を曲タイトルにしているあたりも、なかなかロマンチックがモロ出しではありますが、それをレオ・セイヤーは持ち前の余裕を感じさせる節回しで、幾分長閑に歌っているんですから、これはヒットして当然でしょう。

しかし、レオ・セイヤーは我が国じゃ〜、真っ当な人気は決して高いとは言えず、一応はシンガーソングライターという括りで扱われる事もあるんですが、確かにレオ・セイヤーは自ら名前を売った1974年の大ヒット「道化師の孤独 / Show Must Go On」の曲作りに関わってはいても、それは作詞担当なんですから、基本的に英語が常用されていない日本でのヒットはメロディ優先という真相があれば、いやはやなんとも……。

また、器用なボーカルスタイルというか、ロックもポップスも巧みに歌ってしまう天才性がある事から、これまでに出してきたレコードの数々がそのまんま、リアルタイムの流行を意識し過ぎたプロデュースに感じられるあたりが、なんとなくのマイナス要因かもしれません。

ところが、この「星影のバラード / More Than I Can Say」には、迷いがありません。

既に述べたようなウエストコーストロック風味のアレンジと演奏が、レオ・セイヤー自らのルーツであるイギリスの田舎っぽい独特の節回しと良い塩梅に融合したんでしょうかねぇ〜♪

名曲ゆえに他にも数多カバーされた中には、黒っぽくソウルフルに歌われたり、ハードロッキンなバージョンさえ聞いたことがありますが、ちょっぴりホノボノして、せつないレオ・セイヤーのバージョンには捨て難い魅力を感じてしまいます。

ということで、もちろんクリケッツのオリジナルバージョンを一番好きだと言わなければ、それは本当のポップスマニアではないという風潮も承知しておりますが、サイケおやじは「マニア」ではなく、「ファン」であるという立場を旗幟鮮明にしているつもりなので、そこはご容赦下さいませ。

とにかく初秋の胸キュンポップスは素敵だということで♪

夜明けのカナダって、どんなですかねぇ〜

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■カナダの夜明け / 市川瑛子 (ワーナーパイオニア)

歌謡曲には「ご当地ソング」というジャンルがあって、全国津々浦々、その地名や名所旧跡を歌い込んでおけば、少なくともローカルヒットは狙える!?

という思惑の推察は易いわけですが、それが国際的というか、海外にまで及んでいるとなれば、どんな事情があるのか、ちょっぴり気にならざるをえません。

例えば本日掲載のシングル盤A面曲「カナダの夜明け」は昭和47(1972)年に発売されたらしいのですが、当時は例の大阪万博後とはいえ、カナダという国そのものは決して我が国では馴染があるとは言えませんでした。

しかし、それを置いておけば、この市川瑛子が歌った「カナダの夜明け」という楽曲は歌謡曲マニアの間では、なかなかの人気作らしくて、もちろんサイケおやじはそんな実相はリアルタイムから知る由もなく、当て所ない噂から先年、ようやくゲットしたんですが、これが妙に心地良い仕上がり♪♪〜♪

なにしろ静謐なイントロは明らかに爽やかな朝靄系であり、その中から浮かび上がってくる、ダヤダヤダヤとスキャットされるアルトボイスの節回しには、いきなりグッと惹きつけられてしまうんですねぇ〜♪

そして曲展開の思わせぶりなAメロから、ちょっぴりクセのあるグルーヴィなサビへの流れが、全篇の地味な印象を逆手に活かしたような不思議な高揚感とでも申しましょうか、作詞:さつきいつお&作編曲:藤本卓也が何を企図していたのか、そんな全くミステリ風味の仕上がりがマニアックと言われる要因なのかもしれません。

ただし市川瑛子のボーカルは既に述べたように、ここではアルトボイスで聞かせてくれる節回しが絶妙に効果的♪♪〜♪

残念ながら、サイケおやじは彼女については何も知らず、私有レコードもこれっきりの1枚なんで、ますます気になる存在であります。

ということで、実は昨夜、9年前にカナダへ渡航したっきり、音信不通になっていた旧友からメールが届き、サイケおやじは心底驚いた次第なんですよ。

なんでも年末には帰国するそうなんで、再会を約束したところで、急に聴きたくなったのが、この「カナダの夜明け」というわけです。

冒頭に述べましたが、今日でもカナダはイマイチ、馴染が薄い気がしますし、ご紹介の楽曲もヒットしたという記憶はありませんが、機会があればお楽しみ下さいませ。

ゼップの時間を取り戻せっ!

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■Led Zeppelin 2-CD Deluxe Edition (Atlantic)

☆Disc-1: Led Zeppelin 1st
 01 Good Times Bad Times
 02 Babe I'm Gonna Leave You
 03 You Shook Me
 04 Dazed And Confused / 幻惑されて
 05 Your Time Is Gonna Come / 時が来たりて
 06 Black Mountain Side
 07 Communication Breakdown
 08 I Can't Quit You Baby / 君から離れられない
 09 How Many More Times

☆Disc-2: Live At The Olympia (1969年10月10日)
 01 Good Times Bad Times 〜 Communication Breakdown
 02 I Can't Quit You Baby / 君から離れられない
 03 Heatbreaker
 04 Dazed And Confused / 幻惑されて
 05 White Summer 〜 Black Mountain Side
 06 You Shook Me
 07 Moby Dick
 08 How Many More Times

世界中のロックファンを浮かれさせたに違いない最近のアーカイヴ系復刻のひとつが、ゼップの諸作でしょう。

なにしろオリジナルアルバム音源がジミー・ペイジの陣頭指揮によってリマスターされ、加えて公式未発表音源が期待どおりとは言えないにしろ、それなりに大サービス♪ 加えて件のリマスター音源を使用したアナログ盤をセットにする豪華ボックス物までもが出されたのですから、たまりません。

必ずしもゼップ信者ではないサイケおやじにしても、思わずアナログ盤入りの「スーパー・デラックス・エディション」に飛びついての散財は言わずもがな、ところが局地的に「1st」の海外盤2CD仕様、つまり「デラックス・エディション」には隠しトラックが入っているとか、おまけされたライブ音源に別テイク、あるいは別編集バージョンがあるとか、そんな云々が囁かれたのですから、穏やかではありません。

そこでサイケおやじは実際に確認すべく、既に安価安定になっている掲載の輸入盤デジパック仕様の2CD「デラックス・エディション」をゲットし、聴いてみたんですが、結論から言うと、そんな話はデマじゃ〜ないのかっ!?

という散財後悔の物語であります。

しかし、それにしても当時のゼップはパワーありますですねぇ〜〜♪

件の確認作業であるにも関わらず、聴いているうちに冷静さを失っている、そんな前のめりの自分に気がつかされたのがサイケおやじの実相です。

で、まず 「Disc-1」は説明不要、ロック史に屹立するゼップのデビューアルバムと中身は同一ですから、気になるのはリマスターの成果が第一義でしょう。

ただし、そう書きながら、実はサイケおやじはゼップの公式盤CDは、1990年頃に出た4枚組のベスト盤しか持っていないので、安直な比較は出来るはずもないんですが、今では有名な逸話として、アナログ盤とCDでは部分的にミックスが逆チャンネルのステレオパートが混在しているという現実が、ここでもありました。

それと「Dazed And Confused / 幻惑されて」から「Your Time Is Gonna Come / 時が来たりて」と続く曲の流れの繋ぎに、ど〜も不思議な違和感が!?!

等々の点は、あくまでもサイケおやじの主観であって、全体的に大きな変化は無いんじゃ〜ないでしょうか。

なんたって本命はボーナスディスクのライブ音源ですからっ!

そしてこれが熱いんですよ、期待以上に!

しかも録音状態の基本はモノラルミックスながら、団子状に迫ってくる音圧には臨場感がありますし、メンバー各人のパートがきっちり明確というあたりは、これまで夥しく出回ってきたブートとは一線を画するもので、ネタ元になったフランスのラジオ局で放送されたソースから余計なMCをカットしてあるのも高得点♪♪〜♪

もちろん上記の演目はデビューアルバム、そして既にほとんど出来上がっていたと思われる「2nd」アルバムから選ばれていますから、ライブバンドとしての本領発揮は当然が必然ですし、時代を反映(?)してか、曲によってはしっつこいほどの演奏時間の長さは言うまでもありませんが、とにかく初っ端の激しい「Good Times Bad Times 〜 Communication Breakdown」からグッとテンポを落とした「I Can't Quit You Baby / 君から離れられない」へと続く流れは、まさにブルースロックの醍醐味としてツカミはOK!

欲を言えば、「Good Times Bad Times」が例の血沸き肉躍るドラムスのフィルインからイントロのリフだけというのは物足りませんが、荒事丸出しの「Communication Breakdown」のロック魂にはシビレが止まらなくなりますよ♪♪〜♪

う〜ん、このアレンジの上手さっ!

だからこそ、思わせぶりの強い「I Can't Quit You Baby / 君から離れられない」がすんなり楽しめるとしたら、サイケデリックパートが思いっきり引き伸ばされた「Dazed And Confused / 幻惑されて」や起承転結が曖昧になったような「You Shook Me」あたりの超長尺演奏を聴くことは苦行ではなく、むしろイキそうでイケないフラストレーションがカタルシスに導かれる御宣託という事でしょうか。

実際、演奏全篇を通じてロバート・プラントのボーカルは自由度が高く、ドカドカ煩いボンゾのドラミングの中に最高の小技を発見しては目からウロコが落ちまくり、ファンが望むべきところを把握しきったジミー・ペイジの意図的なラフファイトとしか思えないギタープレイにしても、バンドの土台をがっちり支えるジョン・ポール・ジョーンズのベースがあればこそっ!

恥ずかしながら、ここまでジョン・ポール・ジョーンズが上手かったなんて、今頃痛感しているサイケおやじは猛反省です。

また、ジミー・ペイジが親分の威厳を示す「White Summer 〜 Black Mountain Side」ではエレクトリックなラガロックという、この当時ならではの神秘なインド崇拝をやらしていますが、前述したブルース&ハードロックなパートも含めて、ヤードバーズ時代後期のライブ音源と比べれば、相当に練り込まれたステージギグがゼップの所期の目的であったように思ってしまいます。

その意味で新曲扱いであったボンゾのショウケース「Moby Dick」こそ10分近い演奏になってはいるものの、期待の「Heatbreaker」が3分ちょっとなのは些かの肩すかし……。

しかしご安心下さい。

オーラスの「How Many More Times」ではスタジオバージョンから大きく逸脱した展開が凄さの決定版で、しかも未だ公にされていなかった「胸いっぱいの愛を / Whole Lotta Love」の断片が着エロ的に披露されるんですから、たまりません♪♪〜♪

ということで、ロックの歴史云々は別にして、やはりロックが好きになったら、一度は聴いても後悔しないのが、このゼップのデビューアルバムだと思います。

幸いにも、それをサイケおやじは十代で体験出来た事に感謝するばかりですが、これからと決心された皆様であれば、この2CD仕様盤をオススメしたいですねぇ〜〜。

そして最後になりましたが、冒頭に述べた散財仕様の「スーパー・デラックス・エディション」のウリになっていたアナログ盤については、比較対象の私有現役LPがアメリカ盤だけなので安易な事は言えません。と、お断りしたうえで、それでもリマスター音源による新仕様LPは案の定、濁りが取れたような爽やか(?)な仕上がりで、再生装置にも関わる問題かもしれませんが、個人的には「リアルタイムのロックの音」を感じませんでした。

正直、これなら今回出たリマスターCDで十分じゃ〜ないのかなぁ〜〜?

そんな気分なんですよ……。

ただし、それでも気に入っているのは、ベースの鳴り具合がリスマター盤比較でCDよりもLPに軍配! 如何にもの重心の低さに当初からのハードロックの魅力を凝縮する狙いがあったのかもしれません。

もちろん、今となってはアナログ盤の再生装置を備えている音楽ファンは中年者以上が大半でしょうから、こうした「スーパー」というよりも「過剰」な高額商品は、往年を懐かしむタイムマシン、あるいはタイムボックスみたいなもんでしょう。

だとすれば、「時間」を買う事にお金を惜しまない弱みを握られたというか、いやはやなんとも、悲喜こもごも、失礼致しました。

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