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初秋に洋楽ポップスを

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■星影のバラード / Leo Sayer (Chrysalis / 東芝)

いよいよ9月がスタートし、所謂初秋ともなればロマンチックな洋楽ポップスが恋しくなるサイケおやじは「星影のバラード / More Than I Can Say」が大好き♪♪〜♪

もちろんこの歌は本日掲載のシングル盤A面曲として、1980年末にレオ・セイヤーが歌い、世界的なメガヒットにしてしまったので、誰もが一度は耳にしたであろう、なかなか胸キュンのメロディと弱気(?)な歌詞が刷り込まれている皆様も大勢いらっしゃるでしょう。

実際、ウエストーストロック風味のAORサウンドに彩られたレオ・セイヤーのバージョンは心地良すぎるわけですが、そんなこんなを書いたのも皆様ご存じのとおり、この素敵な名曲はレオ・セイヤーのオリジナルではありません。

既に1960年頃、アメリカの粋なR&Rバンドだったクリケッツがイギリスや欧州でヒットさせ、さらには1961年にボビー・ヴイーがアメリカで小ヒットさせていたのですから、レオ・セイヤーはそれをカバーしていたわけです。

ちなみにオリジナルバージョンを書いたのは前述したクリケッツのメンバーであるソニー・カーティスとジェリー・アリソンという事は、当然ながら同バンドの看板であり、偉大なるロケンローラーであったバディ・ホリーの突然の悲報があって後の作品……。

 俺が言うより、もっと君を愛しているよ

なぁ〜んて、些か歯の浮くような歌詞を曲タイトルにしているあたりも、なかなかロマンチックがモロ出しではありますが、それをレオ・セイヤーは持ち前の余裕を感じさせる節回しで、幾分長閑に歌っているんですから、これはヒットして当然でしょう。

しかし、レオ・セイヤーは我が国じゃ〜、真っ当な人気は決して高いとは言えず、一応はシンガーソングライターという括りで扱われる事もあるんですが、確かにレオ・セイヤーは自ら名前を売った1974年の大ヒット「道化師の孤独 / Show Must Go On」の曲作りに関わってはいても、それは作詞担当なんですから、基本的に英語が常用されていない日本でのヒットはメロディ優先という真相があれば、いやはやなんとも……。

また、器用なボーカルスタイルというか、ロックもポップスも巧みに歌ってしまう天才性がある事から、これまでに出してきたレコードの数々がそのまんま、リアルタイムの流行を意識し過ぎたプロデュースに感じられるあたりが、なんとなくのマイナス要因かもしれません。

ところが、この「星影のバラード / More Than I Can Say」には、迷いがありません。

既に述べたようなウエストコーストロック風味のアレンジと演奏が、レオ・セイヤー自らのルーツであるイギリスの田舎っぽい独特の節回しと良い塩梅に融合したんでしょうかねぇ〜♪

名曲ゆえに他にも数多カバーされた中には、黒っぽくソウルフルに歌われたり、ハードロッキンなバージョンさえ聞いたことがありますが、ちょっぴりホノボノして、せつないレオ・セイヤーのバージョンには捨て難い魅力を感じてしまいます。

ということで、もちろんクリケッツのオリジナルバージョンを一番好きだと言わなければ、それは本当のポップスマニアではないという風潮も承知しておりますが、サイケおやじは「マニア」ではなく、「ファン」であるという立場を旗幟鮮明にしているつもりなので、そこはご容赦下さいませ。

とにかく初秋の胸キュンポップスは素敵だということで♪


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