Quantcast
Channel: OLD WAVE
Viewing all articles
Browse latest Browse all 3462

悔しいけれどキラー・クイーン

$
0
0

■Killer Queen / Queen (EMI / Elektra / ワーナーパイオニア)

拙ブログでは何か今まで逃げている感も抱かれたクイーンではありますが、サイケおやじは決して嫌いなグループではありませんし、ほとんどのレコードを持っている中で、やはり最初は本日掲載のシングル盤A面曲「Killer Queen」でありましょう。

ご存じのとおり、これは1974年秋に本国イギリスで発売されたクイーンの3作目のアルバム「シアー・ハート・アタック」からシングルカットされた、彼等にとっては初めての世界的な大ヒットなんですが、既にして我が国の婦女子ロックファンの間では人気を集めていた現実からすれば、何を今更的な感慨もあったようです。

実際、サイケおやじ周辺のそういう彼女達は「Killer Queen」以前から、特にクイーンの2ndアルバム「Ⅱ」をイチオシのアイテムとして、我々野郎どものロック好きにとっては些か煙たい存在でしたからねぇ~~。

なにしろリアルタイムの某洋楽雑誌ではプッシュに相当の力が入っていましたし、ご推察のとおり、そこにはクイーンのメンバー各々のルックスやキャラクターの明快さが優先されていた事実がありましたからっ!?

説明不要とは思いますが、クイーンはフレディー・マーキュリー(vo,p,etc)、ブライアン・メイ(g,vo,b,etc)、ジョン・ディーコン(b,g,key,etc)、ロジャー・テイラー(ds,vo,etc) のラインナップを正式メンバーとして1971年初頭にスタートしたハードロックのバンドでありながら、後に明らかになるドラマチックな音作りに長けた、ある種の屈折性感度の高さが認められ、その絶対的な証がギターやコーラスの多重録音を積極的に用い、逆にシンセ等々のピアノ以外のキーボード類を初期には排斥していたというあたりに、リアルタイムのロック保守本流から離れた裏街道的な面白さが発見されていたのでしょう。

ところが、おそらくは世界で最初にクイーンを認知したとされる前述、日本の婦女子ロックファンにとっては、「クイーン≒美形のロックグループ」という意思の表明が殊更に大きく、だからこそサイケおやじを含む、大方の洋楽好きの野郎どもは反発を強めていた真相があったんですよ。

しかし同時に、何かの機会にクイーンの音楽に接してみると、虚心坦懐に認めざるを得ない諸々が非常に多く、特にブライアン・メイのギターワークの摩訶不思議な音の出し方や温故知新を踏まえたフレーズ構成の妙は、その気になってコピーしても、なかなかトーシロには分からない事だらけでしたからねぇ~~~。

そんなあれやこれやが一気に噴出したのが、日本では1975年早々からメガヒットになった「Killer Queen」だったように思います。

ただし、それでも天邪鬼なサイケおやじは、こんな「オー・シャンゼリーゼ」みたいな曲って、なんだこれぇ~~~!?

っていう気分を露骨に公言していたのですから、今となっては額に汗が滲みます。

もちろん、本音で好きなんですよ、懐古趣味とビートルズっぽさが化学融合したような近未来的なムードの良さは絶品の完成度ですからねぇ~~♪

とはいえ、「ロックの若き貴公子たち」というキャッチコピーのレコードは、当然ながら経済的な制約を優先すれば個人としては買えるものじゃ~なくて、しかし幸いにもクイーンの布教活動(?)に熱心な大和撫子が近くにいたもんですから、彼女から借りたレコードをテープコピーして、相当に聴いていたのがサイケおやじの本性というわけです。

そして冒頭に述べたようにクイーンのレコードがほとんど手元に集まったのは、売れていたバンドであるがゆえに中古盤が1970年代末頃から溢れるほどに流通し、だからこそ捨て値で漁ったゴミの山とは申しませんが、クイーン関連の私有盤は全て、そのルートでゲットしたものばかりですよ、恥ずかしながら。

ということで、クイーンはやっぱり凄いバンドで、その発生と成立において殊更反体制をひとつの大義名分にしていたロックという音楽形態を大衆娯楽に堂々と屹立させた功績は計り知れません。

平たく言えば、ロックこそが大衆音楽の王様という位置付けを決定的にし、それが所謂ブリティッシュロックの伝統から誕生したクイーンというバンドによって成し遂げられたんじゃ~ないか?

と、いう事です。

つまり、何処をど~切っても、クイーンのやっている事はロックに他ならず、しかし多方面のリスナーを惹きつけてしまう音楽的な幅の広さ、奥行きの深さはケレンの塊ながらも、決してイヤミになっていませんからねぇ~~♪

正直に言えば、そういう部分を悔しいほど痛感させられていますので、クイーンについては、これからもちょっとずつ書いていきたいと思います。


Viewing all articles
Browse latest Browse all 3462

Trending Articles